架空の人物ではあるが、偉大な指導者の話を…。文中の細かい話は個別に検索などしていただけるとありがたいです。まず一人目は…
ジェダイマスター:ヨーダ
900歳の「ヨーダ」のもとに若きジェダイ騎士の「ルーク」が入門します。ルークの師匠にあたるオビワンがダースベイダーの死闘に敗れ死に、騎士団の最高峰であるヨーダに教えを乞うのですが、ジェダイ騎士らしい訓練はさせてくれません。森を走り回らせたり、片手で逆立ちさせたり…そんな毎日にとうとうルークが怒りを露わにします。
「マスターヨーダ、こんなことをしていてはダースベイダーは倒せません。」
「ルークよ、疑問を持ってはならぬ…」
答えはこれだけ…。ルークは、ヨーダの真の実力を知らぬまま、修行に身が入りません…ある日、ヨーダの実力を目の当たりにしたルークは、目的を持ったランニングや片手逆立ちをするようになります。そうしてジェダイ騎士の武器「FORCE」に覚醒していきます。
「ベストキッド」:ミヤギ先生
もう一人は…
この人も弟子であるダニエル・ラルーソに空手を教えず、ペンキ塗りやワックスがけをさせ続けます。ダニエルは、ミヤギに訴えます…
「ミヤギ、このままでは大会に勝てない。コブラ会(悪の流派)に負けちゃう…」
「ノーノー、ダニエルさん。ノークエスチョンズ」
ミヤギは、これしか言いません…しかし、ダニエルがコブラ会に襲われたとき、ミヤギは圧倒的な強さで、コブラ会を退散させます。そこからダニエルはミヤギを信用し、ワックスがけや、ペンキ塗りに目的を持つようになります。この言葉足らずな指導者の共通点は、「黙ってやらせるだけの実力」に他なりません。
昔の成功体験はもやは通用しない…
昨今のマネジメントでは、実務力よりも総合力と言われています。それは問題解決力や伝達力などの基礎スキルが高いことが条件です。もし、ヨーダやミヤギがたいした実力もなく、こういう伝達だけでルークやダニエルを育てようとしても難しいでしょう。黙ってやらせるだけの実力がなければ、ちゃんと言わないと通じません。それまでの時間もコストロスです。年配で要職に着かれている方で、ヨーダ式・ミヤギ式をよく見かけます…。ですが、その方は残念ながらヨーダでもミヤギでもありません。今は圧倒的な実力はないわけですから…
それでも昔の成功体験から、ヨーダ式、ミヤギ式が横行しているのもまた事実…。昔の成功ですから昨今とは前提条件が異なります。そして、環境変化のスピードが、昔と今では大きく異なるからです。 前提違いで、育ち方は大きく変わりますし、昔の成功体験だけで人を動かすのはそろそろ難しいのではないでしょうか…?
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厳しい時代、多くの企業が苦境にあえぐ現代においても、成功と成長を続ける一部の企業。そこでは決まってトップが、それぞれ個性的なリーダーシップ、即ち「統率力」を発揮し、これを運営している。今の時代に求められる「統率力」とは?企業研修の最前線で40余年、3万人を越える人材教育に携わってきた斯界の第一人者が、20数社の具体例を引きながら、その実像に迫る。
書籍名:「統率力」で人は動く (上司と部下の<鬼>シリーズ!)
著者名:染谷 和巳