組織の内側に意識が行き過ぎると…
組織の中で内側ばかり見ていると、顧客の話題がなくなる。組織内競争となる為、悪口や不満が多くなり、否定的な憶測や噂が社内に飛び交う。保身の為に「できない」など失敗を避ける会話が増え、仕事をしない理由探しをする。結果、顧客の意図が汲み取れず、自社都合が先に立ち、顧客からの苦情が増える…
内に向いた目は…
狭い社内での評価がものさしとなり、会話をしていても、顧客の話題が出ない。内に向いた目は、上司に気に入られれば存在価値を勝ち取ることが出来ることによる。その評価に顧客の視点はなく、狭い世界での評価基準となる。
- 仲がいいか否か
- 言うことを聞くか否か
- 嫌いな人を一緒になって嫌ってくれるか否か
そうした組織は企業内でしか通用しない能力(コネ、ごますり)に長けた人材が増え、企業外で通用する能力(スキル・専門性)は育たない。そして、企業内能力しかない人物は自分を守る為、顧客や組織の為となる可視化をしない。自分だけがわかる状態を作りだし、自分の存在価値を維持し続ける…
この状態になったら組織はおしまい。いつか滅びるであろう。企業内能力しか身につけない者には、職位や権限を与えてはならない。自分の為ではなく、顧客や組織の為に働ける人材を引き上げることが重要なのだ。管理職は、ごますりに気分を良くしている場合ではない…。見極めるのだ…
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<掲載ブログ>
<推薦図書>
社長以外誰もしゃべらない会議、アートを語る経営者、達成できるはずのない無茶な目標、密談する社員たち、突然現われた社長のボンボン、誰もがきっと「あるある」と思いながら放置している企業の問題。だが、それはある日突然「組織崩壊」を招くことになる……。本書は、ボストン・コンサルティング・グループのコンサルタントとして長年活躍し、現在はビジネススクール教授を勤める著者が、その豊富な体験から導き出された「崩壊する組織の前兆」を紹介するもの。「沈黙する・どなり合う」「コロコロ変わる」「誇大妄想する」「はしごを外す」「面従腹背する」など「15の前兆」から、組織はどのように崩壊していくのかを解き明かす。さらには、その崩壊をどのように食い止めるか、あるいは巻き込まれないように逃れるかのサバイバル術まで伝授する。企業の「不条理」を余すところなく説く、組織論の決定版!
書籍名:崩壊する組織にはみな「前兆」がある (PHPビジネス新書)
著者名:今村 英明