現場ではPDCAは回せない…
改善活動は様々な職場で実施されているだろう…営業活動や開発活動は、かなり長い(少なくとも1年単位)で実施される。前述した 「ヴィジョン」や「ミッション」に向かって、PDCAサイクルが回される…これが会社組織単位での改善活動だ。
では、現場単位ではどうだろうか…?当然ながら、各現場単位でもPDCAを回すのは貴重だ。しかし、多くの現場では、業務をルーティンで回しており、そんな改善活動をしている時間なんてないよというのが、本音かと思う。実際、私も事務センターを複数マネジメントしていたが、無駄を極限まで切り詰めた現場は、PDCAを回すなんて現実的ではない。
現場では、PDCAは回せない。こうはっきり言ってもいい。やはりPDCAを回すのは、マネジメントの役割なのだ…
現場でしかできない改善活動はある…
しかし、一つ提言したい。現場でも、改善活動はできる。むしろ現場でしかできない改善活動があるのだ。多くの社員が現場で得た感覚値を活用しないのは、まさに損失だとも言える。現場での改善活動こそ、小さな改善が大きな成果を生みやすい場所なのだ…
現場での改善活動のコツは…
- 小さな改善活動を、
- 社員全員が、一日一人一つ、
- 気づき(Awareness)→実行(Action)→気づき→実行
を、繰り返すことである。
小さな改善活動は社内にたくさんあります。
- ゴミを捨てる。
- 机の上をきれいにする。
- …etc
から始めてください…
一日一人一つの小さな改善を課しているいると、簡単にできることは、1週間も経てばすぐに無くなります(これだけでも、多くの改善活動は既にできているのだが…)。そうすると、「気づき」がないと改善ができなくなる時期がきます。そうすると、少しずつ高度な改善活動が開始されるようになります。
- コピー紙の置き場所が変わり、
- 掲示の仕方や内容が変わり、
- …etc
と、徐々に業務に関連する改善が増えてきます。これを継続し続けるコツは…朝礼などの会議体で、昨日実施した改善を発表させること…そうすれば、考えざるを得ず、皆改善活動を開始します。
あとは、楽しくやること。朝礼で、「なんでやってないんだ」なんて詰めだすと一気に冷めます。むしろ、良い改善を讃える仕掛け(みんなで評価したり、優秀改善を表彰するなど)を取り組むことを、より上位者は考えてください。
これを、本気で実施すれば…一年間で、稼働日×社員数分の改善が可能です。是非計算してみてください。大胆な改善を行うよりも、より容易に、より早く、より成果高く、改善できるのです…
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トヨタの現場はなぜ強いのでしょうか?それは、現場の一人ひとりが、自分で問題を見つけ出し、仕事のプロセスを改善し続け、みんなで共有しているからです。現状をより良いものへと変える力、正しく問題を把握する力、迅速に行動し解決する力、つまり、自分の頭で考える力を持っているから。
書籍名:どんな仕事でも必ず成果が出せる トヨタの自分で考える力
著者名:原 マサヒコ