ある日のクレームに対して…
取引先から考えられないビジネスマナー違反をされ、それを担当者の上席者へ指摘をする私に、その上席者はこう言いました。(ちなみに、個人に対して怒ってはいない。個人に興味はない…)
「言っていることは正しいんだけど、彼も悪気はないんだから…」
身内をかばって出た一言。クレームを要求する私に対して、その上席者は事実ではなく、部下のことだけを見ている…。これでは話にならない…
「ヒト」と「コト」
いい人は「ヒト」を見る。正しい人は「コト」を見る。いい人は、その「ヒト」が多少悪いことをしても、「ふだんはいいヤツだから」と流すが、「ヒト」だけを見ていると、正しい判断が出来ないことが多々ある。業務エラーなどはそのいい例で、評価の高い「ヒト」がエラーをすると、つい許してしまうことがある…どんなに大きなエラーをしてもだ…
ここが本質を見失うポイントだ。これが高じると「えこひいき」などという陰口をたたかれ、正しい指揮命令系統は崩れ、組織は崩壊する。「コト」を見ないと、正しい判断ができなくなる。些細なエラーはやがて大きなエラーになる。上に立つ人はこの目線を持っておかなくてはならない。
マネジメントに、いい人は要らない。必要なのは、正しい人なのだ。
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<推薦図書>
管理職が部下に好かれようと「いい人」を演じていると、好かれるどころかスキをつかれてバカにされることがよくあります。また、いい人といわれてきた人が突如として怒れば、急に切れたといわれます。一方、いつも怒っている、寡黙でとっつきにくい人が優しい一瞬を見せると、本当はいい人だったんだと逆に評価が上がることがあります。本書は、課長などの管理職が「いい人」を演じることなく、あえて悪い人になって部下をきちんとマネジメントする方法を解説。近頃増えてきた若手マネジャーや年上部下を持つ悩み多き課長も必見です。
書籍名:課長は絶対「いい人」になってはいけない!
著者名:内田 和俊